テーマ落語会~こ、こ、これが究極の愛情か!特集

10/9(金)
テーマ落語会
~こ、こ、これが究極の愛情か!特集@天満天神繁昌亭 18:30~

笑福亭たま 危険な情事(愛の水中花)
笑福亭福笑 晴れ、時々夫婦げんか
笑福亭三喬 仏師屋盗人
-仲入り-
笑福亭生喬 殿集め
笑福亭福笑 憧れの甲子園


***


初めての福笑さん。
ひょんなことから良い席のチケットが手に入ったのだけど仕事終わりで18時半開演はかなりギリギリ。
会社を出る時間や交通手段なんかをイメトレして本番(?)に臨み、なんとか開演直前に繁昌亭へ。

まずはたまさん。
チラシでは「愛の水中花」と出ていますが「危険な情事」ということで聞いてくださいと。
本人曰くおしどり夫婦の田中さん、一晩の過ちで危ない女に付きまとわれる。
友人の入れ知恵で「不倫がバレて口論になり妻を殺した、迷惑はかけられないので逃亡する」と嘘を吐き別れようとするが、女は共に逃亡する道を選び…。
女が無茶する躊躇いのなさやタクシー運転手の悲運が面白い。
ご本人としてはサゲが弱かったのか、お辞儀をした時に少し顔をしかめて高座を去っていかれました。

続いて福笑さん。
同じ夫婦喧嘩だから似ていると言いつつ噺へ。
こちらは自分がどれほど愛されているか妻の愛情を量るために嘘を吐く、というところから始まる。
全体的に夫婦の愛情に溢れていて、先ほどのブラックな噺とは違いほんわかしました。

三喬さん。
この会のネタは家でくれないので苦労すると。
仏師屋盗人、本寸法な流れだったのでこのまま終わるのかな?と思っていたら衝撃の展開…めくるめく世界が描かれました。
これは確かに家でくるのは憚られるなー。
サゲも従来の流れを踏襲しつつそれ用になっており大爆笑。
一言で言うと「さぶ版仏師屋盗人」。

仲入り後、生喬さん。
この会についてのボヤき。
福笑さんやたまさんは自分の会や他の場所で同じネタを出来るだろうが、我々はそうはいかないと。
そんな生喬さんの殿集め、途中タカラヅカ的演出(?)の耽美なシーンが。
三喬さんの盗人に引き続きお嬢さんも新しい世界を見出してしまったようで。
高座から袖へ下がる時によろよろと壁に手をつき、しばし立ち尽くす生喬さんでした。

最後に再び福笑さん。
憧れの甲子園、爆笑につぐ爆笑。
甲子園初戦敗退してしまった学校の監督が、打ち上げで酒を飲みながら選手たちへボヤき続ける。
最初は選手たちを労っているが酒が進むにつれ本音を暴露しだし…。
これ、高野連的に絶対アカンやつです。面白すぎます。
サゲがとってもいいなぁ。

笑い疲れて一息ついてからロビーへ出ると、三喬さんと生喬さんがお客さんを送り出しつつ「今日のことはここを出たら忘れてください!」と。
三喬さんに至っては「そんな目で見ないでください!」とおっしゃってて最後まで可笑しかった。

来年は10周年だそうで、さらに面白くなるのかなと期待。
初めての福笑さんの高座はたまさんを彷彿とさせて(いや逆なんだけど)、親子なんだなーとしみじみ思った。