いちのすけの風~其の八

10/23(金)
いちのすけの風~其の八@道頓堀ZAZA POCKET'S 19:00~

露の眞 寿限無
春風亭一之輔 時そば
春風亭一之輔 初天神団子屋政談
-仲入-
春風亭一之輔 -


***


約1年ぶり?の一之輔さん。
落語を聞くきっかけをつくってくれた落語家さんです。
一之輔さんを知ったテレビ番組「酒とつまみと男と女」、飲み歩いて酔いどれて、一之輔さんのニンに合っていた。
またやってほしいなー。


開口一番は眞さん。
ちょっと変わった寿限無寿限無に恋する女の子がおまじないするところ好き。

さて一之輔さん。
吉田食堂さんの会では開演前に次回以降の会のお知らせがあるのだけど、某師匠とか某師匠の名前を高座の前に聞くとやる気が出ない、何を考えているんだ!とツッコミ。
時そば、真似る男のドタバタっぷりが可笑しい。
そばの汁を飲んでは「痛い!辛いとか甘いとかあるけど、痛い!」ともんどりをうちながらも何度も汁を飲む、ふと見ると看板脇にまさかの○○の二文字。
畳み掛けるような笑いの連続で、あぁ一之輔さんの落語聞いてるんだなーと思う。

一旦高座下がり再度一之輔さん。
初天神、生で見たいと思っていたから嬉しいー。
金坊「かくばかり偽り多き世の中に、子の可愛さは真なりけり」八五郎「お前が言うな!」ていうくだり大好き。
話は一応大筋通りに進み、団子を蜜の壺にぼっちゃんしたところから話が変わっていく。
実は毎年この親子の被害にあっている(!)団子屋、「お前ら親子は毎年毎年荒らしやがって!」となんとお上に届け出てしまう。
大岡越前がお裁きをするが、その後なぜか金坊と越前守が二人で湯島天神へお詣りに行くことになり…。
ハチャメチャなお話に爆笑、そして最後はなぜかハートウォーミング(?)な終わり方。
寄席のトリでもかけたりするそうで、ほんと面白かったー。

仲入りをはさみ三席目、たっぷりでした。
演目は一之輔さんと客席のひみつです。


久々の一之輔さん、とっても楽しかったです。
次回は来年3月くらいかなー行ければいいな。
しかしマクラでたまさんのことを「たま兄さん」と呼んでいてそうなんだ!と驚いた。

月刊笑福亭たまスペシャル

10/12(月・祝)
月刊笑福亭たまスペシャル@ABCホール 14:00~

桂鞠輔 正月丁稚
桂雀五郎  短命
笑福亭たま 寿限無
桂ひろば マジック
笑福亭たま 辻占茶屋
-仲入り-
桂南天 野崎詣り
笑福亭たま ショート落語ダイジェスト
笑福亭たま バーテンダー


***


月刊笑福亭たまです。
高座遠いかなーと思ったけど程よい大きさで見やすくて良かった。

まずは鞠助さん。
鞠のようにはずみます、と元気のよい正月丁稚。

続いて雀五郎さん。
短命、上方で聞くのは初めて。お通夜のシーンが入るのですね。
まったく理解できない男と甚兵衛さんのやり取りが可笑しい。
おかみさんがしゃもじ使わずにがっさーーーってお櫃からごはんをくむところ好きだー。

さてたまさん。
この会場の座席数について、もう少し座席数は増やせたがしなかった、絶妙な配分だと。
パンフレットでも書いてあったけど、こんなに明け透けで大丈夫なんだろうかとこちらが少し不安になるほど。
しかし手ぬぐいのくだりで楽屋のみんなから止められたと言っていたけれど、私もその場にいたら止めると思う。
寿限無、名付けられた男の生涯を描く。
病院のベッドで名前を言ってる間に蘇生できず死んでしまうけれども、幸せな一生だと思う。

ひろばさんは本日はマジック。
着物で登場、そして高座に座ってやるという初めて見るスタイル。
最前列の男性が指名されアシスタントに。
高津さんで言っていた千円を使ったマジックはなかった、見たかったなー。

たまさんの二席目。
先ほどのアシスタントの男性に手ぬぐいをプレゼント、そつがない。
辻占茶屋、お三味線との掛け合いが楽しい。
たまさんの演じる女性はどこかしたたかな感じがして好きです。

仲入り後は南天さん。
野崎詣り、先日の爆笑したへっつい盗人同様、喜六の間抜け具合が面白くて面白くて。
うららかな春の日、賑やかな参道、楽しむ人々、南天さんの語りで情景が鮮やかに頭に浮かんですごく良かった。

再びたまさん、ショート落語。
鳩の糞のマルチアングル、まさか糞自身の目線も含まれるとは。
例のごとく笑っている間にぽんぽんぽんと行くのでよく覚えられない。
そして最後はバーテンダー
入店間もない新人バーテンダーがベテランバーテンダーのアドバイスを受け、客の言う通りにするものの悲惨な目にあってしまう。
決めセリフの「爆笑でございます。」が最高。


3時間少し、長かったけれどダレることなくずっと楽しめた。
次回のたまさんはは月末の月刊笑福亭たま。
少し空くなぁと感じるけど、こんなに落語に通うなんて思ってもみなかったな。

繁昌亭昼席〜若手グランプリ優勝・準優勝記念ウィーク

10/10(土)
繁昌亭昼席
〜若手グランプリ優勝・準優勝記念ウィーク@天満天神繁昌亭 13:00~

桂ぽんぽ娘 引き出す女
桂ちょうば 読書の時間
笑福亭瓶太 上燗屋
タージン 漫談
桂あさ吉 蛸芝居
桂春若 代書
-仲入り-
口上(司会:桂春若、桂あさ吉・桂吉の丞・笑福亭べ瓶・笑福亭瓶太)
笑福亭べ瓶 太閤の白猿
桂吉の丞 ふぐ鍋
林家染二 貧乏神


***


吉の丞さんの口上を見に繁昌亭へ。
昼席初体験です。
開演ギリギリに行ったのだけど、2列目に座れて嬉しい。

ぽんぽ娘さん、ちょうばさんは軽く一席。
楽しく盛り上げてくれます。

瓶太さん。
師匠の釣瓶が最近真面目に落語をし始めたと。
上燗屋、酔っ払いの演技が楽しい。

テレビで慣れ親しんだタージンさん、初めての生高座。
ほんと面白いー黄色の伊達メガネが素敵。
千林ご出身なのですね、初めて知りました。

あさ吉さんの蛸芝居。
やっぱりハメモノが入ると華やかでいいなー。
独特の雰囲気をお持ちだなと思う。

仲入り前に春若師匠。
落語に入る前の小噺が楽しい。
本寸法の代書、面白いなぁ。

中入り後、口上。
司会の春若師匠、あさ吉さん、吉の丞さん、べ瓶さん、瓶太さんと並ぶ。
まずは兄弟子の瓶太さんがべ瓶さんについて愛のあるイジり。
次いであさ吉さん。
米朝師匠のお話をされるけれども着地点が見えず、思わず吉の丞さんが顔をあげてツッコミ。
(驚きの吉の丞さんのエピソードなし!)
最後は大阪締め。
事前にあさ吉さんのレクチャーがあったのだけど、それでも間違えてしまった。

さてべ瓶さん。
昼席に落語を聞きに来るって良いご趣味ですよね、梅田のパチンコ屋で魚群追って台を叩くよりだいぶん高尚ですと。(海物語?)
噺家が扇子を自分の前に置く意味は…という話から幼稚園寄席のマクラで沸かせてくれます。
太閤の白猿もすごく面白かった、NHK新人演芸大賞も楽しみ。

お待ちかねの吉の丞さん。
まずは優勝したことへのお礼、また60人ほどいる後輩の会にもぜひ足を運んでください、と。
それからふぐがなぜテツと呼ばれるかという話。
あれは鉄砲のテツで弾(タマ)に当たれば死ぬから…というところで客席の反応が薄く(私も若干ぼんやりしてた)「アレッ、話聞いてます?」。
幇間の男が酒を飲んで口笛を吹く演出好きだー。
サゲの「これからゆっくりいただきます」のところ、トリの染二師匠の噺の途中で理解した。遅すぎ。

トリの染二師匠。
貧乏神って小佐田先生の作品なのですね。
弱気で尽くしてしまう貧乏神のびんちゃんが可愛い。
洗濯物をし終えた帰り道に夕日が綺麗やなーって呟くシーンいいなぁ。
しかし主人公の男みたいに女性(どころか貧乏神すらも)をたらしこむような、不思議な魅力のある人っているよね。


3時間少しと長かったけれどもとっても楽しかったー。
そのあとワーズカフェにてしあわせのホットアップルパイを頂きつつ余韻に浸りました。
(吉井和哉のサインも見つけてちょっと興奮した。)

テーマ落語会~こ、こ、これが究極の愛情か!特集

10/9(金)
テーマ落語会
~こ、こ、これが究極の愛情か!特集@天満天神繁昌亭 18:30~

笑福亭たま 危険な情事(愛の水中花)
笑福亭福笑 晴れ、時々夫婦げんか
笑福亭三喬 仏師屋盗人
-仲入り-
笑福亭生喬 殿集め
笑福亭福笑 憧れの甲子園


***


初めての福笑さん。
ひょんなことから良い席のチケットが手に入ったのだけど仕事終わりで18時半開演はかなりギリギリ。
会社を出る時間や交通手段なんかをイメトレして本番(?)に臨み、なんとか開演直前に繁昌亭へ。

まずはたまさん。
チラシでは「愛の水中花」と出ていますが「危険な情事」ということで聞いてくださいと。
本人曰くおしどり夫婦の田中さん、一晩の過ちで危ない女に付きまとわれる。
友人の入れ知恵で「不倫がバレて口論になり妻を殺した、迷惑はかけられないので逃亡する」と嘘を吐き別れようとするが、女は共に逃亡する道を選び…。
女が無茶する躊躇いのなさやタクシー運転手の悲運が面白い。
ご本人としてはサゲが弱かったのか、お辞儀をした時に少し顔をしかめて高座を去っていかれました。

続いて福笑さん。
同じ夫婦喧嘩だから似ていると言いつつ噺へ。
こちらは自分がどれほど愛されているか妻の愛情を量るために嘘を吐く、というところから始まる。
全体的に夫婦の愛情に溢れていて、先ほどのブラックな噺とは違いほんわかしました。

三喬さん。
この会のネタは家でくれないので苦労すると。
仏師屋盗人、本寸法な流れだったのでこのまま終わるのかな?と思っていたら衝撃の展開…めくるめく世界が描かれました。
これは確かに家でくるのは憚られるなー。
サゲも従来の流れを踏襲しつつそれ用になっており大爆笑。
一言で言うと「さぶ版仏師屋盗人」。

仲入り後、生喬さん。
この会についてのボヤき。
福笑さんやたまさんは自分の会や他の場所で同じネタを出来るだろうが、我々はそうはいかないと。
そんな生喬さんの殿集め、途中タカラヅカ的演出(?)の耽美なシーンが。
三喬さんの盗人に引き続きお嬢さんも新しい世界を見出してしまったようで。
高座から袖へ下がる時によろよろと壁に手をつき、しばし立ち尽くす生喬さんでした。

最後に再び福笑さん。
憧れの甲子園、爆笑につぐ爆笑。
甲子園初戦敗退してしまった学校の監督が、打ち上げで酒を飲みながら選手たちへボヤき続ける。
最初は選手たちを労っているが酒が進むにつれ本音を暴露しだし…。
これ、高野連的に絶対アカンやつです。面白すぎます。
サゲがとってもいいなぁ。

笑い疲れて一息ついてからロビーへ出ると、三喬さんと生喬さんがお客さんを送り出しつつ「今日のことはここを出たら忘れてください!」と。
三喬さんに至っては「そんな目で見ないでください!」とおっしゃってて最後まで可笑しかった。

来年は10周年だそうで、さらに面白くなるのかなと期待。
初めての福笑さんの高座はたまさんを彷彿とさせて(いや逆なんだけど)、親子なんだなーとしみじみ思った。

高津落語研究会

10/6(火)
高津落語研究会@高津神社 19:00~

桂ひろば しの字丁稚
桂南天 へっつい盗人
桂雀五郎 いらちの愛宕詣り
笑福亭たま 次の御用日
なぞかけ・野球大喜利 (司会:桂ひろば)


***


初めての高津落語研究会です。
高津さんへ行くのも初めてで、ここで合ってるのかなーと思いつつ暗い参道を通り、社務所の明かりが見えた時はほっとした。
受付にたまさんと雀五郎さんが、階段をあがったところには南天さんがいらっしゃってアットホームな会なんだなと思う。

まずはひろばさん。
マジックでお客さんから借りた千円札を破ってしまったそうで、来週月曜日のたまさんの会でマジックをするのが怖いと。
でもそうなったとしても逆に盛り上がるような気がする、二重に楽しみ!
しの字丁稚、「し」を直前でかわす定吉お見事。
旦那さんは意地悪だなー。

続いて南天さん。
1日の終わりにニュースをはしごする、重い話が多いので最後は些細でいいから明るいニュースをしてほしい。
例えば雀五郎さんが赤いシャツを着たとか。
(妄想の)雀五郎さんへのインタビューで「還暦まで待とうと思ったんですけど…」。
へっつい盗人、盗みに行くのが楽しみになってしまう男のテンションの高さが可笑しい。
とにかく楽しそうで、見ているこっちも笑顔になってしまう。
堺の別荘やよいよいよとさ、じょんじょろりんのくだりなんか間抜けで愉快だけど一緒に行くほうは大変そう。

雀五郎さん、高座へ上がるなり「赤いシャツは着ません」。
いらちの愛宕詣り、いらちな男が間違えまくりながら愛宕山へお詣りへ。
なんだかんだでお弁当をこさえてお詣りの準備をしてくれる女房、優しいなー。
間違えて自分のこづかいまで賽銭箱に入れてしまい、返してもらえないとわかると愛宕さんに向かって「泥棒!」って無茶苦茶だー。
ぽんぽんぽんと続くリズムが気持ちがいい。

たまさん。
福山雅治が結婚してショックを受けた女性ファンの話から、彦八祭り後に来た「ファン辞めます」メールについて。
受付でのたまさんの対応を思い出す、そういう風にとらえる人もいるのか。
噺家は一対多数は慣れているが一対一は苦手な人も多いと。
最後は次の御用日。
たまさんの地の語りがこんなに多い噺を聞くのは初めて。
暑い夏の日、住吉の浜の砂利道が日差しでキラキラと光っているさまを語るところがすごく印象的だった。
お奉行さまの繰り返される「アッ!」が可笑しい。

たまさんがはけてしばらくして全員再登場、ひろばさん司会で大喜利へ。
そう大きくもない高座に大の大人3人はきつそう。
なぞかけのお題は「TPP」「ラグビーW杯」、その後野球大喜利
雀五郎さんがすごく上手いこと言っておぉー!と思ったのだけど思い出せない。
野球は確かイチローのことだったと思う。

20時半頃終演、良い雰囲気で楽しい時間でした。
また来月が楽しみ。