西遊記~小痴楽、鯉八、松之丞三人会~

8/6(木)
西遊記~小痴楽、鯉八、松之丞三人会~@道頓堀ZAZA POCKET’S 19:30~

月亭天使 開口一番
柳亭小痴楽 真田小僧
瀧川鯉八 俺ほめ
神田松之丞 真景累ヶ淵より宗悦殺し
-仲入り-
神田松之丞 谷風情け相撲
瀧川鯉八 やぶのなか
柳亭小痴楽 磯の鮑


***


ずっとずっと心待ちにしていた会。
予約メールの返信に「絶対楽しい回になると思いますので。お楽しみに。」とあってますます期待が高まる。
松之丞さん、去年10月に東京で見た朝練講談会以来だから約10ヵ月ぶり。
さらに今回は気になっていた鯉八さんも見られるのですごーく楽しみだった。

開口一番は月亭天使さん。
1人2席の計6席と発表すると客席がどよめく。
私も嬉しいような、帰り何時になるんだという戸惑いで悲鳴をあげてしまった。

トップバッターは小痴楽さん。
今時のお兄ちゃん。
お顔がすごく小さくイケメン。
そんな小痴楽さんだけど、3人の中では1番芸歴が長いそうで。
真田小僧、悪知恵の働く金坊が小憎たらしいけど憎めない。
おとっつぁんが途中から懇願して話を聞き出すさまが可笑しかった。

続いて鯉八さん。
マクラで新大阪からなんばへ向かう御堂筋線の車内で神だと乗客にバレた話。
言われてみれば、藤子A先生の漫画に神(カルト系)として出てきそうな出で立ち(褒め言葉)。
俺ほめは、まあちゃんを皆で褒めて、お気に召すと金平糖がもらえるという話。
どういった状況なのか、まあちゃんは何者なのか、説明が一切ないシュールな空間。
「まあちゃん、ポスト米朝
爆笑しました。

松之丞さん。
客席の明かりが落とされて「1席目は怪談をします」。
真景累ヶ淵の作り手・三遊亭圓朝という噺家がいかに偉大であったか。
圓朝ってやっぱりすごい人なんだな…と思い聞き入っていると「それに比べ、兄さんの俺ほめですよ」と爆笑をさらう。
1席が長いので今回は短くまとめたという宗悦殺し。
いつものように汗だくで熱演。 
盲目の按摩・宗悦の存在感、乱心し宗悦を斬り殺す新左衛門、鳥肌がたった。
いつか松之丞さんが惚れたという雨夜の裏田圃を聞きたい。

仲入り後、再び松之丞さん。
2席目は谷風情け相撲。
1席目とは違い爆笑に次ぐ爆笑。
取り組みの最中、講釈師の神田松之丞さんが登場し解説してくれる。
マクラでの仕込みが効いてます。

鯉八さんの2席目、やぶのなか。
会話はなく登場人物の独白だけで話は進んでいく。
登場人物が増えていくにつれ、それぞれの心情のねじれが顕著になっていって面白い。
面白いんだけど話全体にちょっと薄気味悪い雰囲気が漂っているところ(褒め言葉)なんかは、やはりA先生と似通ったところがあると思う。

最後は小痴楽さん。
めくりを指し、「小さな痴漢を楽しむと書きます」。
マクラでは師匠にスナックへ連れて行ってもらった話。
日本語の怪しいフィリピーナの女の子についてもらったが、露出が高く目のやり場に困るのでどうにかしてもらえないかとお願いすると、師匠が一言…。
そこから廓話の磯の鮑。
相変わらず与太郎がぱーぱーしていて楽しいのだけど、もう前の5席でおなかいっぱいで少しぼんやりしてしまった。

19時半からの6席、疲れたけどとっても楽しかった!
またいつか大阪へ来てもらいたいな。
万難を排して行かせていただきます。